再生可能エネルギーとは?種類とメリットをわかりやすく解説
この記事のポイント
再生可能エネルギーとは太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど自然界で枯渇せず利用できるエネルギー源で、日本の電源構成に占める比率は2024年度で約23%、政府は2030年度に36〜38%への拡大を目標としている。
「再生可能エネルギーとは何を指すのか、種類やメリット・デメリットもあわせて正確に理解したい」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 再生可能エネルギーの定義と種類
- 導入のメリットとデメリット
- 日本と世界の導入状況と今後の展望
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界で繰り返し利用できるエネルギー源のことです。
種類ごとの特徴や導入のメリット・デメリット、日本と世界の状況まで押さえておけば、脱炭素社会に向けた動きを正しく理解できます。ここから順に詳しく見ていきましょう。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界で繰り返し利用できるエネルギー源のことです。例えば太陽光発電の仕組みに代表されるように、石油や石炭のように使えば減っていく資源とは違い、枯渇する心配がない点が大きな特徴です。まずは定義と、混同されやすい類似用語との違いから整理していきます。
再生可能エネルギーの定義
資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーを「永続的に利用できる非化石エネルギー源」と位置づけています。エネルギー供給構造高度化法でも、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存在する熱・バイオマスの7種類が対象として定められており、実務的には太陽光発電と風力発電の比較などを通じて導入が進められます。
このうち固定価格買取制度(FIT制度)の対象となるのは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの5種類です。共通する条件は、発電の過程で二酸化炭素をほとんど排出せず、資源が半永久的に使い続けられることにあります。
化石エネルギーとの違い
化石エネルギーは、石油・石炭・天然ガスのように地中に埋蔵された有限な資源を指します。燃焼時に二酸化炭素を排出するうえ、採掘できる量には限りがあり、いずれ枯渇するリスクを抱えています。
一方で再生可能エネルギーは、太陽光や風、水の流れといった自然の営みそのものをエネルギー源にするため、使い続けても資源が減りません(次世代の太陽光発電として期待されるペロブスカイト太陽電池の仕組みなど、技術的な進化も続いています)。次の表で主な違いを整理します。
| 項目 | 再生可能エネルギー | 化石エネルギー |
|---|---|---|
| 資源の有限性 | 枯渇しない | 有限で枯渇する |
| CO2排出 | ほとんど排出しない | 燃焼時に排出する |
| 調達先 | 国内で確保しやすい | 海外からの輸入が中心 |
化石エネルギーに依存する体制は、価格変動や供給リスクの影響を受けやすい構造です。再生可能エネルギーへの転換は、こうしたリスクを抑えるための現実的な選択肢といえます。
自然エネルギーやクリーンエネルギーとの違い
「自然エネルギー」は再生可能エネルギーとほぼ同じ意味で使われる言葉で、太陽光や風力など自然由来のエネルギーを指す点は共通しています(近年話題のペロブスカイト太陽電池の特徴に見られるように、技術の進化による自然の利用方法は多岐にわたります)。厳密な定義の差はなく、メディアや文脈によって呼び方が使い分けられているのが実情です。
「クリーンエネルギー」は、CO2排出量が少ないエネルギー全般を指す、やや広い概念です。再生可能エネルギーに加え、原子力発電もCO2排出が少ないためクリーンエネルギーに含まれることがあります。つまり再生可能エネルギーはクリーンエネルギーの一部という位置づけになります。用語の範囲を正しく理解しておくと、ニュースや資料を読む際の混乱を避けられます。
再生可能エネルギーが注目される理由
再生可能エネルギーが世界的に注目を集める背景には、地球温暖化対策とエネルギー安全保障という2つの大きな課題があります。ここでは、その理由を3つの視点から見ていきます。
地球温暖化対策における重要性
化石燃料の燃焼は、地球温暖化の主な原因とされる二酸化炭素を大量に排出します。再生可能エネルギーへの転換は、発電時の温室効果ガス排出をほとんどゼロに抑えられるため、気候変動対策の中心的な手段と位置づけられています。
パリ協定以降、各国は温室効果ガスの削減目標を掲げており、日本も2050年カーボンニュートラルの実現を目指しています。発電部門での脱炭素化は目標達成の要であり、再生可能エネルギーの拡大が欠かせません。
エネルギー安全保障の観点
日本はエネルギー供給の多くを化石燃料の輸入に依存しており、2023年度のエネルギー自給率は15.3パーセントとG7の中でも低い水準にとどまっています。海外情勢の変化によって燃料価格が変動しやすく、供給が不安定になるリスクを抱えている状況です。
再生可能エネルギーは国内の資源で発電できる「純国産」のエネルギーです。輸出入の対象にならず枯渇の心配もないため、エネルギー自給率を高め、安定供給の基盤を強くする役割が期待されています。
脱炭素社会の実現に向けた位置づけ
政府は2030年度に再生可能エネルギー比率を36から38パーセントまで高める目標を掲げ、2024年度時点ですでに23パーセント程度に達しています。脱炭素社会の実現には、発電だけでなく産業や運輸の分野でも再生可能エネルギーの活用を広げる視点が求められます。
企業にとっても、再生可能エネルギーの利用は取引先や投資家からの評価に直結するテーマになりつつあります。脱炭素経営への対応を進めるうえで、再生可能エネルギーの理解は欠かせない前提知識といえます。
再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーには、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスという5つの代表的な種類があります。日本の電源構成では2023年度時点で太陽光が9.8パーセント、水力が7.6パーセント、バイオマスが4.1パーセント、風力が1.1パーセント、地熱が0.3パーセントを占めています。それぞれの特徴を見ていきましょう。
太陽光発電
太陽光発電とは何かというと、太陽光パネルに光を当てて電気を作る発電方式です。日本の再生可能エネルギーの中で最も導入が進んでおり、屋根や空き地など設置場所の自由度が高い点が普及を後押ししてきました。
初期投資は高めですが、稼働後のランニングコストは低く抑えられます。一方で発電量は日照条件に左右されるため、天候や時間帯による変動が課題です。
風力発電
風力発電は、風の力で羽根車を回して発電する方式です。他の再生可能エネルギーと比べて発電効率が高く、大規模な運用に向いています。
陸上だけでなく、海に面した地形を生かした洋上風力発電の開発も進んでいます。安定した風況が得られる立地の確保や、騒音・景観への配慮が普及のポイントです。
水力発電
水力発電は、川やダムの水が流れ落ちる力でタービンを回して発電する方式です。天候に左右されにくく、24時間安定して発電できるためベースロード電源としての役割を担っています。
日本は山地が多く水資源に恵まれているため、古くから水力発電が活用されてきました。大規模なダム式に加え、中小河川を活用した小水力発電の導入も広がっています。
地熱発電
地熱発電は、地下のマグマの熱で発生した蒸気の力でタービンを回して発電する方式です。設備利用率は70パーセント以上と高く、天候に関係なく安定した発電を続けられる点が強みです。
日本は火山国であり地熱資源に恵まれていますが、開発には長い調査期間とコストがかかるため、資源量に見合うほど導入が進んでいないのが実情です。
バイオマス発電
バイオマス発電は、木質チップや農業残渣、家畜のふん尿、食品廃棄物といった生物由来の資源を燃料にする発電方式です。廃棄物の有効活用につながる点が特徴です。
天候に影響されずに安定した発電量を確保できる一方、燃料となる資源が全国に分散しているため、収集や運搬にコストがかかる課題も抱えています。
再生可能エネルギー導入のメリット
再生可能エネルギーを導入するメリットは、大きく分けて4つあります。環境面と経済面の両方から効果が期待できる点が特徴ですが、開発が進むペロブスカイト太陽電池のデメリットなどの課題についても理解しておく必要があります。
温室効果ガスの排出を減らせる
再生可能エネルギーは、発電時に温室効果ガスをほとんど排出しません。太陽光発電(住宅用)は1キロワット時あたり38グラム、風力発電は26グラム、地熱発電は13グラム、中小水力発電は11グラムのCO2排出量とされ、化石燃料を使う火力発電と比べて大幅に少ない水準です。
地球温暖化の主な原因である温室効果ガスの削減に直接貢献できることは、再生可能エネルギーの最大のメリットといえます。
エネルギー自給率を高められる
再生可能エネルギーは国内の資源で発電できる純国産のエネルギーです。日本のエネルギー自給率は現在15.2パーセントにとどまっており、政府は2040年度に3から4割程度まで引き上げる目標を掲げています。
再生可能エネルギーの拡大は、海外情勢に左右されにくい安定したエネルギー供給体制の構築につながります。
資源が枯渇しない
太陽光や風、水の流れといった自然現象そのものをエネルギー源にするため、使い続けても資源が減ることはありません。石油や石炭のような有限な資源と違い、将来にわたって利用し続けられる点は大きな強みです。
限りある資源に依存しない仕組みは、長期的なエネルギー戦略を立てるうえでの安心材料になります。
非常時の電源を確保できる
太陽光発電システムに蓄電池を組み合わせれば、災害時の停電でも電気を使い続けられます。分散して設置できる再生可能エネルギーは、大規模な発電所が停止した際のリスク分散にも役立ちます。
化石燃料への依存度を下げることは、供給網の混乱が起きた場合の影響を抑えることにもつながり、エネルギー安全保障の強化に寄与します。
再生可能エネルギー導入のデメリット
再生可能エネルギーには多くのメリットがある一方で、コストや安定性の面で課題も残っています。例えば、次世代技術であるペロブスカイト太陽電池の発電効率の維持とコストのバランスなど、導入を検討する際はこうした注意点も踏まえておく必要があります。
発電コストが高くなりやすい
再生可能エネルギーの中には、化石燃料を使う火力発電と比べて発電コストが2倍以上になるものもあります。設備の設置費用が高いうえ、大規模な運用が難しい発電方式もあり、価格面での負担が課題です。
技術の進歩によって太陽光発電のコストは下がってきていますが、地熱発電のように調査や開発に長い年月がかかる方式では、依然としてコスト負担が大きいままです。
発電量が不安定になりやすい
電気は大量に蓄えておくことが難しいため、太陽光や風力のように天候の影響を受けやすい発電方式では、供給量が変動しやすくなります。晴天時と雨天時、風の強弱によって発電量が大きく変わる点は無視できません。
再生可能エネルギーだけで電力需要のすべてを賄うのは現状では難しく、火力発電など他の電源と組み合わせて安定供給を確保する体制が必要です。
設置場所が制約されやすい
再生可能エネルギーは、どの場所でも自由に発電施設を設置できるわけではありません。地熱発電を効率よく行うには、高温の蒸気や熱水が得られる火山地帯が必要ですが、国内では国立公園や温泉地と重なる地域が多く、開発には地域住民との調整が求められます。
また風力発電は騒音や景観への影響、水力発電はダム建設による自然環境への影響が指摘されることもあり、立地選定には慎重な検討が欠かせません。
日本と世界における再生可能エネルギーの導入状況
再生可能エネルギーの導入は世界各国で進んでおり、日本も制度面の整備を進めながら比率を高めています。ここでは現状の数値と主な仕組みを整理します。
日本の導入状況とエネルギー自給率
日本の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率は、2012年度の約10パーセントから2023年度には約23パーセントまで拡大しました。政府は2030年度の電源構成において、再生可能エネルギーの比率を36から38パーセントまで高める目標を掲げています。
一方でエネルギー自給率は15パーセント台にとどまっており、G7諸国の中でも低い水準です。再生可能エネルギーの拡大は、この自給率を引き上げるための重要な柱と位置づけられています。
世界の導入状況
世界的にも再生可能エネルギーの導入は加速しており、太陽光や風力を中心に発電コストの低下と設備の大量導入が進んでいます。欧州や中国では大規模な洋上風力発電や太陽光発電の開発が続き、電源構成に占める比率を着実に高めている状況です。
各国は気候変動対策の目標達成に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大を国家戦略の柱に据えています。
FIT・FIP制度など普及に向けた仕組み
日本では再生可能エネルギーの普及を後押しするため、固定価格買取制度(FIT制度)が導入され、太陽光発電のメリットを享受しやすい環境が整えられてきました。加えて2022年度からは、市場価格に連動して収益を得るFIP制度の運用も始まっています。
FIP制度では、発電事業者が卸電力市場などで電気を売電し、基準価格と市場価格の差額にあたるプレミアムを受け取る仕組みです。制度は再エネの電力市場への統合を進める方向で見直しが続いており、2025年度以降は一定規模以上の設備でFIPへの移行が段階的に拡大しています。こうした制度の変化を理解しておくことは、再生可能エネルギーの導入を検討するうえで欠かせません。
再生可能エネルギーの今後の展望
再生可能エネルギーは技術革新と政策の両輪で普及が進む見通しです。例えば、主力の太陽光発電の特徴を活かした新技術の開発など、今後の主な動きを3つの視点から整理します。
発電効率を高める技術革新
次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池を開発する企業の技術革新により、ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽く曲げられる特性を持ち、これまで設置が難しかったビルの壁面や窓にも導入できる点が期待されています。積水化学工業は2026年3月から自治体向けなどに販売を開始し、2027年には量産体制を整える計画です。
洋上風力発電も次世代技術の柱です。国は2030年までに1,000万キロワット、2040年までに浮体式を含めて3,000万から4,500万キロワットの導入を目標に掲げ、国内の複数の海域で事業化に向けた取り組みが進んでいます。
企業や自治体の取り組み
企業は脱炭素経営への対応として、自社工場や事業所への再生可能エネルギー導入を進めています。使用する電力を再生可能エネルギー由来に切り替える取り組みは、取引先や投資家からの評価にも直結するテーマになりつつあります。
自治体も地域の資源を生かした再生可能エネルギーの導入を後押ししており、地域活性化と脱炭素の両立を目指す事例が各地で広がっています。
今後の政策動向
政府は再生可能エネルギーを主力電源に位置づけ、FIT制度からFIP制度への移行や、次世代技術への重点投資を進める方針です。世界の再生可能エネルギー市場は今後も年平均10パーセント近い成長が見込まれており、日本国内の市場規模も拡大が予測されています。
技術開発と制度整備が両立して進めば、再生可能エネルギーはこれまで以上に身近なエネルギー源になっていくと考えられます。
まとめ:再生可能エネルギーとは持続可能な社会を支えるエネルギーである
再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど、自然界で枯渇せずに繰り返し利用できるエネルギー源です。環境適応する太陽光発電の発電方法を含め、地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から重要性が高まり、日本でも導入比率が着実に拡大しています。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 再生可能エネルギーは化石燃料と違い枯渇しない
- 種類ごとに特徴とメリット・デメリットが異なる
- 日本は自給率向上に向け導入拡大を進めている
本記事を読むことで、再生可能エネルギーの定義から種類、メリット・デメリット、導入状況までを体系的に理解し、脱炭素に向けた取り組みを検討する土台を得られたのではないでしょうか。
再生可能エネルギーの導入や活用について具体的に検討したい方は、お気軽にお問い合わせください。詳しい資料もご用意しています。
再生可能エネルギーとはに関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
Green With編集部は、GX・脱炭素・Scope3・カーボンニュートラルなどの実務情報をわかりやすく発信する編集チームです。政策・技術・企業事例を調査し、AIを活用した制作と編集部による事実確認を組み合わせ、実務に役立つ信頼性の高いコンテンツを提供しています。
監修者
リサーチチーム
Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。
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