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水素ステーションの価格はいくら?建設費や今後の見通しを解説

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この記事のポイント

水素ステーションの水素価格は2026年時点で1kgあたり1650円から2200円程度。建設費は圧縮水素方式で2億円から3億円、液化水素方式で4億円から6億円かかり、政府は2030年に334円/kgまでの引き下げを目標としている。

水素ステーションの価格はいくら?建設費や今後の見通しを解説

「水素ステーションの価格って結局いくらなの。最近値上がりしていると聞くけど、この先も水素で走り続けて大丈夫なのだろうか」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 水素ステーションの価格の現状
  • 価格が高い理由と建設費の内訳
  • 今後の価格の見通し

2026年時点の水素ステーションの価格は1kgあたり1,650円から2,200円程度で、建設費や製造コストの高さがそのまま単価に反映されています。本記事を読めば、水素ステーションの価格がなぜこの水準になっているのか、そして今後下がっていく余地があるのかまで具体的な数値とともに理解できます。ぜひ最後まで読み進めてください。

水素ステーションの水素価格は1kgあたりいくらか

水素ステーションで販売される水素の価格は、2026年時点で1kgあたりおおむね1,650円から2,200円の範囲です。これは脱炭素に向けた水素のバリューチェーン構築においてクリアすべきコスト課題を反映しており、トヨタMIRAIのようなFCVはタンク容量が5.6kg程度のため、満タンにすると約9,200円から12,300円かかる計算になります。以前は1kgあたり1,000円台前半で販売されていましたが、原料コストの上支えを背景に段階的な値上げが続いています。

現在の水素販売価格の相場

2026年の水素の販売価格は、事業者や地域によって幅があるものの、全国平均でおおむね1,700円台後半が目安です。東京都内では税込みで1,760円から2,200円程度の価格帯で販売されています。ガソリン価格が1リットル170円前後で推移する中、水素は重量あたりの単価だけを見るとかなり高く感じられます。ただしFCVは燃費効率が高いため、単純な単価比較だけでは実際の負担感がわかりにくい点に注意が必要です。

主要事業者ごとの価格の違い

主要な水素供給事業者であるエネオスとイワタニでは、価格設定に差があります。

事業者2026年の販売価格(税込・目安)
エネオス1kgあたり2,200円
イワタニ1kgあたり1,650円

同じ地域でも事業者が異なれば数百円の差が生じるため、頻繁に利用する場合は近隣の複数のステーションの価格を比較しておくと安心です。

価格が改定されてきた経緯

水素の販売価格は、当初1kgあたり1,000円前後の水準からスタートしました。その後2023年から2024年にかけて、エネオスが1,210円から1,650円へ、続けて1,650円から2,200円へと段階的に引き上げています。イワタニも2024年6月に1,210円から1,650円へと約36%の値上げに踏み切りました。短期間で複数回の値上げが重なったことが、利用者にとって価格上昇を強く印象づける結果になっています。

地域による価格のばらつき

都市部は利用者数が多く供給体制も整っている一方、地方では全国的な水素ステーション数の偏りから設置数が少ないため、輸送コストが価格に反映されやすい傾向があります。水素ステーションを頻繁に利用する予定があるなら、居住地や勤務地に近い施設の価格をあらかじめ調べておくことが、燃料費を抑えるうえで欠かせません。

水素ステーションの価格が高い理由

水素ステーションの価格が高止まりしている背景には、製造コスト、設備投資、需要不足という3つの要因が重なっています。それぞれの理由を理解すると、単に「高い」という印象だけでなく、価格の構造そのものが見えてきます。

水素の製造コストが高い

現在流通している水素の多くは、天然ガスなどの化石燃料から作られる方式で製造されています。この方式自体は比較的低コストですが、原料となる化石燃料の価格が世界的に上昇しているため、水素の製造コストも連動して上がっています。再生可能エネルギーを使って水を電気分解する方式であれば環境負荷は小さいものの、製造コストは化石燃料由来の方式より数倍高くなるのが実情です。日本国内の水電解による製造コストは1立方メートルあたり336円程度とされ、政府が掲げる目標値の30円と比べるとまだ大きな開きがあります。

設備投資と運営費が価格に反映される

水素ステーションは、水素を高圧で貯蔵・充填するための専用設備が必要で、建設だけで数億円規模の投資が発生します。加えて、保安検査などの法定点検や日常のメンテナンスにも継続的な費用がかかります。こうした固定費は利用者が増えても大きくは減らないため、1kgあたりの販売価格に上乗せされやすい構造になっています。これはインフラとしての水素ステーションの課題の根幹をなしており、ガソリンスタンドと比べて設備投資も運営費も大きいことが、水素の単価を押し上げる主な要因です。

供給量に対して需要が少ない

FCVの普及台数は国内でまだ数千台規模にとどまっており、水素ステーションの稼働率は採算ラインに届いていない施設が少なくありません。自動車メーカーは需要が見えないと車両開発に踏み切りにくく、事業者は車両が増えないと設備投資を拡大しにくいという構図が、価格の高止まりを長引かせています。需要と供給のどちらかが先行して増えない限り、価格だけを一方的に下げるのは難しいのが現状です。

水素ステーションの建設にかかる費用

水素ステーションを新設する場合、方式によって必要な費用が大きく変わります。ここでは事業者や自治体が水素ステーションの整備を検討する際に把握しておきたい費用の全体像を整理します。

圧縮水素ステーションの建設費

圧縮水素ステーションは、水素をボンベで受け入れて高圧のまま貯蔵・充填する方式で、建設費はおおむね2億円から3億円が目安です。この水素ステーションの仕組みの違いは建設費に大きく影響し、液化水素方式に比べると設備がシンプルなため、比較的建設しやすい方式とされています。それでも一般的なガソリンスタンドの建設費(約1億円)と比べると2倍から3倍の投資が必要になります。

液化水素ステーションの建設費

液化水素ステーションは、水素を極低温で液体の状態にして貯蔵する方式で、建設費はおおむね4億円から6億円かかります。液化設備や断熱性能の高いタンクが必要になるため、圧縮水素方式より初期投資が大きくなる傾向があります。一方で1回あたりの貯蔵量を増やしやすく、充填能力を高めやすいという利点もあります。

建設費に含まれる主な内訳

水素ステーションの建設費は、次のような要素で構成されます。

費用項目内容
設備投資圧縮機、蓄圧器、ディスペンサーなどの機器一式
工事費配管工事、電気設備工事、安全対策工事
キャノピー・障壁屋根や防護壁などの構造部(自己負担になりやすい)
土地関連費用土地の取得や造成にかかる費用

このうち設備投資が全体の大部分を占め、圧縮機やタンクといった専用機器の価格が建設費全体を左右します。

土地取得費用が別途必要になるケース

建設費には、土地をすでに保有しているかどうかで大きな差が出ます。東京都内のある事例では、土地取得だけで約2億円が必要となり、建物や設備を含めた総額は約4.5億円に達しました。一方、地域の支援制度を活用した福岡県の事例では、建設費を約3.5億円に抑えられたケースもあります。立地条件や自治体独自の支援の有無によって、最終的な負担額は数千万円単位で変わることがあります。

水素とガソリンの燃料費を比較する

水素ステーションの価格だけを見ると割高な印象を受けますが、実際の燃料費を左右するのは単価と燃費の両方です。ここではFCVとガソリン車の燃料コストを具体的に比較します。

同じ距離を走るときの燃料費の違い

トヨタMIRAIのカタログ燃費はグレードによって1kgあたり146kmから152km程度です。水素価格を1kgあたり1,650円から2,200円とすると、1kmあたりの燃料費はおよそ11円から15円になります。一方、ハイオクガソリンを1リットル180円として燃費15km程度のハイブリッド車で計算すると、1kmあたりの燃料費は12円前後です。つまり現在の価格水準では、FCVとハイブリッド車の燃料費はほぼ同程度か、FCVがやや割高になる場面が多いといえます。

車種の目安燃料単価燃費1kmあたりの燃料費
FCV(MIRAI相当)1,650〜2,200円/kg146〜152km/kg約11〜15円
ハイブリッド車180円/L15km/L前後約12円

FCVとガソリン車の維持費全体の比較

燃料費以外の維持費では、FCVはエコカー減税の対象となるため、自動車重量税や自動車税の軽減を受けられる場合があります。車検の頻度自体はガソリン車と変わりませんが、燃料電池特有の部品点検が必要になる分、車検費用がやや高めになるケースもあります。総合的な維持費は、燃料費の差よりも税制優遇の有無によって変わる部分が大きいといえます。

燃料費以外にかかるコストの違い

FCVはガソリン車に比べて車両本体価格が高く、購入時の初期費用が大きな負担になります。その一方で、国や自治体からの補助金を活用できる場合があり、実質的な負担を抑えられることもあります。長期的な総コストを比較する際は、燃料費だけでなく車両価格や補助金の有無まで含めて検討することが欠かせません。

水素ステーションの価格は今後どうなるか

現在の水素ステーションの価格は高止まりしていますが、政府の目標や技術開発の動きを見ると、長期的には下がっていく可能性があります。ここでは今後の見通しを整理します。

政府が掲げる将来の価格目標

経済産業省は水素・燃料電池戦略ロードマップにおいて、2030年ごろに1立方メートルあたり30円、水素1kgに換算すると334円程度まで供給コストを引き下げる目標を掲げています。さらに2050年には1立方メートルあたり20円、1kgあたり223円程度まで引き下げる方針も示されています。現在の販売価格が1kgあたり1,650円から2,200円であることを踏まえると、目標達成には大幅なコスト削減が必要であり、道のりは決して短くありません。

補助金制度が価格に与える影響

国や自治体は、水素ステーションの整備費と運営費の両方に補助金を用意しています。整備費補助は建設時の初期投資を軽減する効果があり、運営費補助は稼働率が低い施設の赤字を緩和する役割を果たしています。ただし運営費補助については縮小傾向にあるとの指摘もあり、事業者が自立的に採算を取れる仕組みへの移行が今後の課題です。補助金は価格そのものを直接下げる制度ではありませんが、事業者の負担を軽くすることで、結果的に販売価格の急激な上昇を抑える役割を担っています。

価格を下げるための技術開発の動き

建設費や運営費を下げるための技術開発も進められています。設置面積を抑えられるパッケージ型ステーションの導入や、ディスペンサーから公道までの距離規制の緩和など、規制面での見直しも行われてきました。加えて、圧縮機やタンクといった主要機器の国産化・量産化が進めば、設備投資額そのものを下げられる余地があります。こうした技術開発と規制緩和が組み合わさることで、価格が段階的に下がっていくことが期待されています。

まとめ:水素ステーションの価格は建設費と燃料単価の両面で下がっていく見通し

本記事では、水素ステーションの水素価格の現状から、価格が高い理由、建設にかかる費用、ガソリン車との燃料費比較、そして今後の見通しまでを解説しました。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 2026年時点の水素価格は1kgあたり1,650円から2,200円程度
  • 製造コストと設備投資の大きさが価格を押し上げている
  • 政府目標や技術開発により長期的な価格低下が見込まれる

水素ステーションの価格の全体像を把握できたことで、FCVの購入検討や事業としての水素ステーション参入について、より具体的な判断材料が得られたはずです。

水素ステーションの導入や事業展開について詳しく相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

水素ステーションの価格に関するよくある質問

参考文献

  1. 水素社会の実現に向け、さらに具体的な取り組みを~新「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(資源エネルギー庁)
  2. 水素社会実現に向けた取組(資源エネルギー庁)
  3. 燃料電池自動車の普及促進に向けた水素ステーション整備事業費補助金について(資源エネルギー庁)

執筆者

Green With 編集部
Green With 編集部

編集部

Green With編集部は、GX・脱炭素・Scope3・カーボンニュートラルなどの実務情報をわかりやすく発信する編集チームです。政策・技術・企業事例を調査し、AIを活用した制作と編集部による事実確認を組み合わせ、実務に役立つ信頼性の高いコンテンツを提供しています。

監修者

Green With リサーチチーム
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Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。

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