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水素ステーションの数は全国141カ所?減る理由と今後の見通し

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この記事のポイント

水素ステーションは2026年7月時点で全国141カ所。建設費の高さとFCV普及の遅れで増加が鈍く、四大都市圏に集中する。中国540カ所以上や欧州294カ所に対し、日本は2025年度目標320カ所にも届かず、政府は2030年に1000基整備を目指している。

水素ステーションの数は全国141カ所?減る理由と今後の見通し

「水素ステーションの数は全国にどれくらいあるの?このままFCVを買っても、水素を入れる場所に困らない?」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 水素ステーションの数、日本全国の現状
  • 水素ステーションの数が増えない理由
  • 世界の水素ステーション数との比較と今後の見通し

2026年7月時点で、日本の水素ステーションは全国141カ所です。数の伸びは鈍く、地域による偏りも大きいのが実情です。

本記事を読めば、水素ステーションの数の現状と背景、今後の見通しまで一気に把握でき、FCVの利用や事業検討に役立つ判断材料が得られます。ぜひ最後まで読み進めてください。

水素ステーションの数、日本全国の現状

水素ステーションの数は、2026年7月1日時点で全国141カ所です。これは水素を活用した脱炭素社会の実現に向けた輸送用インフラ整備の現在地を示す数字であり、次世代自動車振興センターの公表データに基づき、燃料電池車(FCV)に水素を供給する拠点として運用されています。ただし増加傾向にあるわけではなく、近年は横ばいから微減で推移しています。

全国設置数の推移

水素ステーションの整備は2015年前後から本格化し、政府目標に沿って一時期は右肩上がりで増えました。しかし直近では閉鎖するステーションも目立ち、全体の数はむしろ1割ほど減る局面に入っています。設備の老朽化や利用者数の伸び悩みが背景にあり、更新のタイミングで営業終了を選ぶ事業者も出てきました。単純な右肩上がりのグラフでは説明できないのが、いまの水素ステーションの実態です。

都道府県別の設置状況

水素ステーションの分布は、四大都市圏とそれを結ぶ幹線道路沿いに偏っています。地域ごとの内訳は次の通りです。

地域設置数の目安
首都圏40カ所
中京圏44カ所
関西圏18カ所
九州圏12カ所
その他地域27カ所

自動車産業が集積する中京圏がもっとも多く、次いで首都圏が続きます。一方で四大都市圏から離れた地方には水素ステーションがほとんど存在せず、空白地帯が全国の9割にのぼるとも報じられています。

主要事業者別の拠点数

水素ステーションの運営には、岩谷産業やENEOS、東京ガスといったエネルギー関連企業が名を連ねます。加えて、トヨタ自動車やホンダなど自動車メーカーが出資する日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)も、拠点の整備・運営を担う中心的な存在です。特定の1社が突出しているのではなく、複数の事業者が地域ごとに分担しながら運営しているのが特徴といえます。

水素ステーションの数が増えない理由

水素ステーションの数がなかなか増えないのは、単一の原因ではなく複数の要因が絡み合っているためです。建設コストの高さ、FCVの普及の遅れ、そして採算悪化による撤退が、悪循環のように影響し合っています。

建設と維持にかかるコストの高さ

水素ステーション1カ所あたりの建設費は、圧縮水素タイプで2億〜3億円、液化水素タイプでは4億〜6億円ほどかかるとされます。これは製造・供給における環境技術への投資、例えばccsによる二酸化炭素回収装置などの導入費と同様に、初期投資の大きさが他の燃料供給インフラと比べても際立つ要因です。加えて設備の保守や更新にも継続的な費用がかかるため、利用者数が少ない地域では投資回収の見通しが立ちにくくなります。結果として、新規参入をためらう事業者が多いのが実情です。

FCV普及率の低さとの関係

水素ステーションの採算は、周辺を走るFCVの台数に大きく左右されます。しかし水素自動車一覧に見られるような市販車の年間販売台数は2021年と比べて8割ほど落ち込み、車両価格の高さも普及の妨げになっています。利用者が少なければステーション側の収益は伸びず、事業者は新設や維持に慎重にならざるを得ません。逆に水素ステーションが少ない地域ではFCVを選びにくいという声も多く、需要と供給がお互いの足を引っ張り合う構造になっています。

撤退や閉鎖が相次ぐ背景

実際に、開業から10年前後を迎えたステーションで、設備の老朽化を理由に閉鎖するケースが出ています。改修や更新には新設に近い費用がかかるため、利用者数の少ない拠点では継続を断念する判断につながりやすいといえます。海外でも同様の動きがあり、大手石油会社が乗用車向け水素ステーションの運営から撤退した例も報告されています。こうした事例が積み重なり、全体の設置数を押し下げる一因になっています。

世界の水素ステーション数と日本の比較

水素ステーションの数は、国によって整備方針や普及の進み方が大きく異なります。日本の141カ所という数字は、世界の中でどのような位置にあるのか、主要国の状況とあわせて見ていきます。

アメリカの設置状況

アメリカで乗用車向けの水素ステーションが稼働しているのは、実質的にカリフォルニア州とハワイ州に限られます。2025年6月時点のカリフォルニア州の稼働拠点は49カ所で、1年前より4カ所減少しました。国土の広さに対してステーション数が極端に少なく、地域が限定されている点が日本以上に顕著です。

韓国や中国など海外の設置状況

中国は2024年末時点で540カ所以上の水素ステーションを整備しており、世界でもっとも設置数が多い国のひとつです。商用車を中心にFCVの普及を後押しする国の方針が、整備の後押しになっています。韓国もFCVの登録台数が過去3年で3倍に増えるなど普及が進んでおり、乗用車向けの水素インフラ整備が続いています。ヨーロッパ全体では2024年末時点で294カ所、なかでもドイツが113カ所ともっとも多く、フランスの65カ所が続きます。

日本の国際的な位置づけ

こうして並べると、水素ステーションの数において日本は中国やヨーロッパ全体には及ばないものの、アメリカよりは多い水準にあります。表にまとめると、次のとおりです。

国・地域設置数の目安時点
中国540カ所以上2024年末
ヨーロッパ全体294カ所2024年末
日本141カ所2026年7月
アメリカ(カリフォルニア州)49カ所2025年6月

数だけを見ると中国やヨーロッパが先行していますが、各国とも普及のペースは一様ではありません。日本は四大都市圏に集中する一方、中国は商用車需要、ヨーロッパは国境を越えた幹線輸送を軸に整備を進めており、それぞれの事情に応じた戦略の違いが表れています。

水素ステーションの数、今後の見通し

水素ステーションの数は足元で伸び悩んでいますが、政府や事業者は整備を止めたわけではありません。目標に対しては遅れが出ているものの、方向性としては拡大を目指す姿勢が続いています。

政府の整備目標と計画

経済産業省が示す水素・燃料電池戦略ロードマップでは、水素ステーションの整備目標を2020年度までに160カ所程度、2025年度までに320カ所程度としてきました。さらにグリーン成長戦略では、2030年に1,000基程度という長期目標も掲げられています。現状の141カ所は2025年度目標の半分以下にとどまっており、目標と実態の差は小さくありません。

増加が見込まれる地域

今後は乗用車向けだけでなく、大型トラックなど商用車向けの需要を取り込む形で整備が進むと見込まれています。長距離の幹線輸送を支えるルート沿いや、物流拠点が集積するエリアで新設の動きが出てくる可能性があります。ただし、これは政策目標に基づく見通しであり、実際の整備ペースは事業者の投資判断や補助金の動向によって変わる点には注意が必要です。

インフラ整備とFCV普及の関係

水素ステーションの数を増やすには、FCVの普及とセットで進める必要があります。車載タンクから発電を行う水素自動車の仕組みの認知度向上だけでなく、資源エネルギー庁の担当者も、車両・利用者・インフラ事業者が互いに様子見をする「三すくみ」の状態を課題として挙げています。国はこの構造を崩すため、商用車での需要創出や補助金による初期投資の軽減を進めており、需要側と供給側の両方を後押しする姿勢が今後も求められます。

まとめ:水素ステーションの数は伸び悩むが政府主導で拡大へ

ここまで、水素ステーションの数について、全国の現状から増えない理由、世界との比較、今後の見通しまで解説してきました。2026年7月時点の設置数は141カ所で、四大都市圏に偏った分布と、建設コストの高さやFCV普及の遅れによる伸び悩みが実態として見えてきました。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 水素ステーションの数は2026年7月時点で全国141カ所、四大都市圏に集中
  • 建設コストの高さとFCV普及の遅れが増えない主な要因
  • 世界では中国やヨーロッパが先行、日本は政府目標に対して整備が遅れている

水素ステーションの数の現状と背景を理解できれば、FCVの購入や事業としての水素インフラ検討で、どの地域なら現実的か、今後どう変化していきそうかを見極める判断材料になります。

数字の裏側にある構造的な課題まで押さえておくことで、単なる現状把握にとどまらない一歩先の判断が可能になります。水素ステーションや水素インフラに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

水素ステーションの数に関するよくある質問

参考文献

  1. 水素ステーション普及状況(次世代自動車振興センター)
  2. 水素ステーション | トヨタ自動車WEBサイト
  3. 縮む水素ステーション、全国の9割空白地 トヨタ・ホンダのFCV不振(日本経済新聞)

執筆者

Green With 編集部
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編集部

Green With編集部は、GX・脱炭素・Scope3・カーボンニュートラルなどの実務情報をわかりやすく発信する編集チームです。政策・技術・企業事例を調査し、AIを活用した制作と編集部による事実確認を組み合わせ、実務に役立つ信頼性の高いコンテンツを提供しています。

監修者

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Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。

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