GreenWith

再生可能エネルギー発電量とは?日本と世界の最新統計を比較

最新技術を知る

この記事のポイント

再生可能エネルギー発電量は2023年度の日本で2,189億kWh(電源構成の21.7%)、世界全体で2024年に9,900TWhに達し、日本は2030年度に3,130億〜3,530億kWh程度を目標としている。

再生可能エネルギー発電量とは?日本と世界の最新統計を比較

「再生可能エネルギー発電量の実数値を知りたいが、日本や世界の統計データが整理されていてよく分からない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 発電量と設備容量の単位の違い
  • 日本と世界の再生可能エネルギー発電量の実績
  • 今後の発電量目標と拡大を支える技術動向

再生可能エネルギー発電量は、2023年度の日本で2,189億kWh、電源構成の21.7パーセントに達し、世界全体でも2024年に9,900TWhを記録するなど、実数値ベースで着実に拡大しています。

本記事を読めば、発電量を表す単位の基礎から、日本・世界の電源別データ、2030年度・2050年に向けた目標値まで体系的に理解でき、資料作成や意思決定に使える正確な数字を押さえられます。ここから順に詳しく見ていきましょう。

再生可能エネルギーの発電量を理解するための基礎知識

再生可能エネルギー発電量のデータを正しく読み解くには、まずそもそもどのような再生可能エネルギーの種類があるのかを踏まえ、単位の意味を押さえておく必要があります。ニュースや統計資料には「発電量」と「設備容量」という似た言葉が混在し、単位もkWhやGWなどさまざまです。ここでは発電量を理解するための基礎知識を整理します。

発電量と設備容量の違い

発電量とは、実際に発電された電力の総量を指します。一方の設備容量とは、発電設備が持つ最大の発電能力のことです。水道にたとえると、設備容量は蛇口から出る水の勢い、発電量はその蛇口から実際に出た水の量にあたります。

太陽光発電のように天候で出力が変動する電源は、設備容量が大きくても実際の発電量はそれに比例しません。設備容量だけを見て発電量を判断すると、実態とずれた理解につながる点に注意が必要です。

発電量を表す単位(kWh・GWh・TWh)の見方

発電量はkWh(キロワット時)を基本単位とし、規模に応じてGWh(ギガワット時)やTWh(テラワット時)が使われます。キロは千、メガは百万、ギガは十億、テラは一兆を表す接頭語です。

家庭の電気代明細に登場するのはkWhですが、国や世界全体の再生可能エネルギー発電量を語る場合はGWhやTWhが主に用いられます。単位 of 桁を意識すると、統計上の数字の大きさを実感しやすくなります。

設備容量を表す単位(kW・MW・GW)の見方

設備容量はkW(キロワット)を基本単位とし、大規模な発電所や国全体の容量にはMW(メガワット)やGW(ギガワット)が使われます。太陽光パネル1枚あたりの出力は数百Wですが、大規模太陽光発電所ではMW単位、国全体の導入量ではGW単位で語られるのが一般的です。

発電量(kWh・GWh・TWh)と設備容量(kW・MW・GW)は、末尾に「h(アワー)」が付くかどうかで見分けられます。次の表で整理します。

区分主な単位意味
発電量kWh・GWh・TWh一定期間に実際に発電された電力量
設備容量kW・MW・GW発電設備が持つ最大の発電能力

発電量データを比較するときの注意点

発電量の統計を比較する際は、対象年度や集計範囲がそろっているかを確認することが大切です。同じ「再生可能エネルギー」でも、水力発電を含むか含まないかで数値が大きく変わる資料があります。

また設備容量ベースの数値と発電量ベースの数値を混同すると、電源ごとの実力を誤って評価してしまいます。発電方式によって設備利用率が異なるため、設備容量が同じでも実際の発電量には差が出ることを踏まえて資料を読み解くことが重要です。

日本の再生可能エネルギー発電量の現状

日本の再生可能エネルギー発電量は年々拡大しており、2023年度には初めて電源構成の2割を超えました。ここでは資源エネルギー庁の統計をもとに、日本全体の実績と電源別の内訳を数値で確認します。

日本全体の発電量に占める再生可能エネルギーの実績

資源エネルギー庁の確報によると、2023年度の日本全体の発電電力量は9,854億kWhでした。このうち再生可能エネルギーによる発電量は2,189億kWhで、電源構成に占める比率は21.7パーセントです。

非化石電源全体の比率も東日本大震災以降で初めて3割を超え、31.4パーセントに達しました。再生可能エネルギー発電量は制度面の後押しを受けながら、着実に積み上がっている状況です。

電源別に見る発電量の内訳

2023年度の再生可能エネルギー発電量を電源別に見ると、太陽光が最も多く926億kWh(9.2パーセント)を占めています。次いで水力が768億kWh(7.6パーセント)、バイオマスが372億kWh(3.7パーセント)、風力が93億kWh(0.9パーセント)、地熱が30億kWh(0.3パーセント)という内訳であり、それぞれの電源特性に応じた再生可能エネルギーのコスト比較を進める上での基礎数値となります。

電源発電量電源構成比
太陽光926億kWh9.2%
水力768億kWh7.6%
バイオマス372億kWh3.7%
風力93億kWh0.9%
地熱30億kWh0.3%

太陽光発電の発電量が突出して多い一方、風力と地熱は他国と比べても発電量が伸び悩んでいる電源です。立地条件や開発期間の長さが、発電量拡大のペースに影響しています。

発電量の推移から分かる伸び率

太陽光発電の発電量は2010年度時点でごくわずかでしたが、固定価格買取制度(FIT制度)の導入を機に急速に拡大し、2023年度には電源構成の9.2パーセントを占めるまでに成長しました。再生可能エネルギー全体の比率も、2012年度の約10パーセントから2023年度には21.7パーセントまで倍増していますが、このような急激な拡大プロセスの中では、導入エリアごとの偏りや調整機能の不足といった再生可能エネルギーのデメリットも浮き彫りになっています。

一方で水力発電の発電量はこの間ほぼ横ばいで推移しており、既存の大規模ダムを中心とした発電量が安定している電源であることが分かります。伸び率の違いを見ると、発電量拡大の主役が太陽光であることがうかがえます。

都道府県別に見る発電量の傾向

再生可能エネルギーの発電量は地域によって偏りがあります。秋田県は風力・地熱・小水力を中心に自然エネルギー供給割合が全国トップクラスで、風力発電の割合は40パーセントを超えており、このような立地条件に即した供給形態の偏りこそが再生可能エネルギーの特徴や仕組みを如実に表しています。

太陽光発電の割合が高いのは群馬県や栃木県、三重県などで、いずれも50パーセント前後の水準です。群馬県や長野県、岐阜県などでは水力発電が発電量全体の9割以上を占める地域もあり、地形や気候条件が発電量の内訳に大きく影響していることが分かります。

世界の再生可能エネルギー発電量の現状

世界の再生可能エネルギー発電量は、太陽光と風力を中心に記録的なペースで拡大を続けており、各国の固有の再生可能エネルギーの発電方法の開発動向がその伸び率を牽引しています。

世界の再生可能エネルギー発電量は、太陽光と風力を中心に記録的なペースで拡大を続けています。IEAやIRENAの統計をもとに、世界全体の発電量と国別・電源別の内訳を確認していきます。

世界全体の再生可能エネルギー発電量

IEAの統計によると、2024年の世界の再生可能エネルギー発電量は9,900TWhに達しました。これは、他方式を含めた広範な再生可能エネルギーの比較を進める上での主要なグローバル指標となります。また、IRENAの発表では、2024年の世界の再生可能エネルギー発電設備容量は4,448GWとなり、この1年間だけで585GWが新たに追加されています。

再生可能エネルギーは2025年末までに、遅くとも2026年半ばまでには石炭を抜いて世界最大の電力源になる見通しです。発電量・設備容量ともに、これまでにない速さで拡大が進んでいます。

主要国別の発電量比較

国別の再生可能エネルギー発電量では、中国が突出した規模を持っています。2024年時点の発電量は中国が2,056.26TWhで世界1位、アメリカが825.66TWhで2位、インドが257.41TWhで3位という順位です。

順位発電量(2024年)
1位中国2,056.26TWh
2位アメリカ825.66TWh
3位インド257.41TWh

中国の発電量は2位のアメリカの約2.5倍にのぼります。電源構成に占める割合で見ると、中国の自然エネルギー比率は2023年度時点で30.9パーセント、アメリカは約20パーセントで、日本の21.7パーセントと近い水準です。

電源別に見る世界の発電量シェア

世界の再生可能エネルギー発電設備容量のうち、拡大の中心となっているのは太陽光発電です。2024年の太陽光発電の設備容量は前年比32.2パーセント増の1,865GWに達し、再生可能エネルギー全体の新規増加分の75パーセント以上を占めました。

風力発電の設備容量は2024年末時点で合計1,133GWとなっています。太陽光と風力の2つの電源だけで、世界の再生可能エネルギー発電設備容量の大部分を形成している状況です。

設備容量の拡大ペース

世界の再生可能エネルギー発電設備容量は、2024年だけで585GWという記録的なペースで増加しました。IEAの予測では、2030年の世界の再生可能エネルギー発電量は16,200TWhとなり、2024年比で約60パーセント増加すると見込まれています。

太陽光発電のコスト低下や蓄電池の普及が拡大ペースを後押ししており、今後も世界各地で大規模な導入が続く見通しです。

再生可能エネルギー発電量の今後の見通し

再生可能エネルギー発電量は、政策目標と技術革新の両面から今後もさらに拡大する見通しです。ここでは2030年度・2050年に向けた目標値と、拡大を支える技術動向、残された課題を整理します。

2030年度の発電量目標

政府は2030年度の再生可能エネルギー導入量について、足元の状況を踏まえた政策対応強化ケースで3,130億kWhの実現を目指すとしています。さらに温室効果ガス46パーセント削減に向けた施策強化が実現した場合の野心的な水準として、3,360億から3,530億kWh程度、電源構成に占める比率で36から38パーセント程度の導入を掲げています。

2023年度実績の2,189億kWhと比べると、2030年度目標はおよそ1.5倍から1.6倍の発電量拡大が必要な水準です。政府はこれを上限ではなく通過点と位置づけ、実現状況に応じてさらなる高みを目指す方針を示しています。

2050年カーボンニュートラルに向けた発電量の展望

2050年のカーボンニュートラル実現に向けては、再生可能エネルギーが電源構成の50から60パーセント程度を占める主力電源となる見通しが示されています。残りは水素・アンモニアを使う火力発電が10パーセント程度、原子力発電とCO2回収を前提とした火力発電が30から40パーセント程度を担う想定です。

再生可能エネルギー単独で電力需要の全てを賄う計画ではなく、水素・アンモニア混焼やCCS(二酸化炭素回収・貯留)、次世代原子炉といった技術を組み合わせ、電源全体でのゼロエミッション化を目指す構想になっています。

発電量拡大を支える技術動向

発電量拡大の中心を担ってきた太陽光発電では、次世代技術としてペロブスカイト太陽電池の実用化が進んでいます。薄くて軽く曲げられる特性を持ち、これまで設置が難しかったビルの壁面や窓にも導入できるため、新たな発電量の積み増しにつながると期待されています。

洋上風力発電も発電量拡大の柱です。政府は2030年までに1,000万キロワット、2040年までに浮体式を含めて3,000万から4,500万キロワットの導入を目標に掲げており、海に面した立地を生かした発電量の上乗せが見込まれています。

発電量拡大に向けた課題

発電量の拡大に伴い、電力系統側の制約が課題として浮上しています。太陽光発電は晴天時の昼間に発電量が需要を上回りやすく、九州や東北エリアを中心に出力制御が発生する頻度が上昇傾向にあります。

この課題への対応として、蓄電池の導入拡大が有効な打ち手とされています。容量市場で落札された蓄電池が稼働すれば、月間の出力制御量を2から6割程度削減できる見込みも示されており、系統整備と蓄電池普及が発電量拡大を下支えする鍵になります。

まとめ:再生可能エネルギー発電量は日本・世界ともに拡大が続いている

再生可能エネルギー発電量は、日本では2023年度に2,189億kWh、電源構成の21.7パーセントに達し、世界全体でも2024年に9,900TWhを記録しました。太陽光発電が発電量拡大の中心を担い、政府は2030年度に3,130億から3,530億kWh程度、2050年には主力電源として電源構成の50から60パーセント程度を目指しています。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 発電量はkWh、設備容量はkWで表され意味が異なる
  • 日本の発電量は太陽光が中心に拡大している
  • 世界の発電量は中国が突出し2030年もさらに増加する見通し

本記事を読むことで、再生可能エネルギー発電量を単位の基礎から日本・世界の実績、今後の目標値まで数値で正確に把握し、資料作成や意思決定に使える根拠を得られたのではないでしょうか。

再生可能エネルギーの導入や活用について具体的に検討したい方は、お気軽にお問い合わせください。詳しい資料もご用意しています。

再生可能エネルギー発電量に関するよくある質問

参考文献

  1. 令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績(確報)|資源エネルギー庁
  2. 世界の再生可能エネルギー発電設備容量、記録的な成長|IRENA
  3. 今後の再生可能エネルギー政策について|資源エネルギー庁

執筆者

Green With 編集部
Green With 編集部

編集部

Green With編集部は、GX・脱炭素・Scope3・カーボンニュートラルなどの実務情報をわかりやすく発信する編集チームです。政策・技術・企業事例を調査し、AIを活用した制作と編集部による事実確認を組み合わせ、実務に役立つ信頼性の高いコンテンツを提供しています。

監修者

Green With リサーチチーム
Green With リサーチチーム

リサーチチーム

Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。

関連記事

最新技術を知る

バイオマス発電の特徴とは?メリット・デメリットを簡単に解説

バイオマス発電の特徴を仕組みや発電方式、燃料の種類、メリット・デメリット、日本の現状や企業が押さえたい制度動向までわかりやすく解説します。

Green With 編集部
最新技術を知る

潮力発電とは?仕組みとメリット・デメリットを日本事例で解説

潮力発電の仕組みやメリット・デメリット、日本と世界の導入事例をわかりやすく解説します。脱炭素経営の選択肢として検討したい方に役立つ情報です。

Green With 編集部
最新技術を知る

水素ステーションとは?仕組み・価格・全国の設置場所を解説

水素ステーションとは、燃料電池自動車に水素を補給する施設です。仕組みや種類、価格、全国の設置場所、補助金制度を2026年最新情報で解説します。

Green With 編集部
最新技術を知る

太陽光発電の発電方法とは?種類別の仕組みと次世代技術を解説

太陽光発電の発電方法を、シリコン系や化合物系など太陽電池の種類別に解説します。仕組みや他の発電方法との違い、次世代技術まで幅広く紹介します。

Green With 編集部
最新技術を知る

風力発電の発電効率は何パーセント?理論値と実際の数値を解説

風力発電の発電効率をベッツ限界の理論値から実際の数値、設備利用率、高める方法まで解説します。太陽光発電など他方式との比較データも紹介します。

Green With 編集部
最新技術を知る

潮力発電のメリット・デメリットを一覧で徹底解説【2026年】

潮力発電のメリット・デメリットを解説。仕組みや発電コスト、設置場所の制約、日本と海外の事例まで整理し、導入価値を判断できるようになります。

Green With 編集部

GXの最新情報をメールで受け取る

政策・技術・実務・事例から厳選した一次情報を、編集長が週1回お届けします。

ニュースレター登録

実務に効くお役立ち資料

Scope3対応ステップガイドや政策ハンドブックなど、現場で使える資料を無料で公開しています。

資料一覧を見る