バイオマス発電の種類は3方式・燃料の違いをわかりやすく解説
この記事のポイント
バイオマス発電の種類は直接燃焼方式・熱分解ガス化方式・生物化学的ガス化方式の3つに分けられる。直接燃焼方式は普及率が高く、熱分解ガス化方式は発電効率30〜40%と高め、生物化学的ガス化方式は水分の多い廃棄物を活用できる点が特徴である。
「バイオマス発電の種類にはどんなものがあり、直接燃焼方式やメタン発酵といった方式ごとに何が違うのかが分からず、自社にどの方式が向くのか判断できない」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- バイオマス発電の種類と方式を分ける2つの基準
- 直接燃焼・熱分解ガス化・メタン発酵それぞれの仕組みと燃料
- 現場に合わせた発電方式の選び方
バイオマス発電の種類は、直接燃焼方式・熱分解ガス化方式・生物化学的ガス化方式の3つに分けられ、燃料の含水率や発電規模によって向き不向きが決まります。
本記事を読めば、方式ごとの違いを踏まえて自社や地域にどのバイオマス発電が合うのかを具体的にイメージできるようになります。それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
バイオマス発電の種類は3方式に分けられる
バイオマス発電の種類は、直接燃焼方式・熱分解ガス化方式・生物化学的ガス化方式の3つに大別されます。どの方式も動植物由来の資源を使う点は共通していますが、燃料の性質や発電の仕組みには明確な違いがあります。これらは再生可能エネルギーの種類やバイオマスとは何かという基礎知識の中でも特有の燃料特性を有しており、3方式の違いを押さえておくと、自社や地域に合った発電方式を見極めやすくなります。
発電方式を分ける2つの基準
3つの方式を分ける基準は、主に燃料の含水率と発電規模の2つです。木材チップのような乾いた燃料は直接燃焼方式に向き、家畜のふん尿や生ごみのような水分の多い燃料は発酵を使う方式に向いています。
発電規模の面では、大規模な施設ほど蒸気タービンを使う方式で効率が高まりやすく、小規模な施設ではガス化方式のほうが効率を保ちやすいとされています。このように、燃料の性質と設備の規模を照らし合わせることが、方式選びの出発点になります。
3方式の特徴を比較する
3方式の違いは、次の表のように整理できます。
| 方式 | 主な燃料 | 発電効率の目安 |
|---|---|---|
| 直接燃焼方式 | 木質チップ、木質ペレット、可燃ごみ | 約20% |
| 熱分解ガス化方式 | 木くず、廃木材 | 直接燃焼方式より高め |
| 生物化学的ガス化方式 | 家畜ふん尿、生ごみ、下水汚泥 | 約20% |
直接燃焼方式は最も普及しており、既存の火力発電設備を活用しやすい方式です。熱分解ガス化方式は3方式の中でも発電効率が高いとされ、小規模な設備でも導入しやすい特徴があります。生物化学的ガス化方式は、水分の多い廃棄物をそのまま燃料にできる点が強みです。
どんな現場にどの方式が向いているか
木材の加工過程で端材やおがくずが継続的に出る現場では、直接燃焼方式や熱分解ガス化方式が扱いやすい選択肢になります。乾いた木質燃料をそのまま活かせるためです。
一方、畜産業や食品工場のように、ふん尿や食品残さといった水分の多い廃棄物が日常的に出る現場では、生物化学的ガス化方式が適しています。廃棄物の処理と発電を同時に進められる点は、コスト面でも扱いやすいポイントになります。
直接燃焼方式の仕組みと使われる燃料
直接燃焼方式は、バイオマス発電の種類の中で最も普及している方式です。仕組みがシンプルであり、バイオマス発電の仕組みの基礎として既存の火力発電設備を活用しやすい点が広く採用されている理由になります。
発電までの仕組み
直接燃焼方式は、乾燥させたバイオマス燃料をボイラーでそのまま燃やし、発生した熱で水を蒸気に変える方式です。高温・高圧になった蒸気で蒸気タービンを回し、発電機を動かして電気を作ります。
燃焼の仕組み自体は石炭火力発電と共通しており、燃料を燃やす部分だけがバイオマスに置き換わっています。そのため既存の火力設備を転用しやすく、導入のハードルが比較的低い方式といえます。
主に使われる燃料
直接燃焼方式では、木質チップや木質ペレット、製材時に出る端材などの木質燃料が主に使われます。可燃性の一般廃棄物も、加工して燃料にする場合があります。
いずれの燃料も、そのままでは燃焼に適さないため、細かく砕いたり圧縮して固めたりする加工を経てから使用します。燃料の含水率が低いほど、安定した燃焼を保ちやすくなります。
メリットと注意点
直接燃焼方式のメリットは、設備の仕組みがシンプルで、維持や管理の手間が少ないことです。既存の火力発電インフラを活用しやすく、燃料の運搬もしやすい点も強みになり、様々な地域におけるバイオマス発電の取り組み事例でもこのメリットが活用されています。
一方で、木質バイオマスの発電効率はおよそ20%にとどまり、石油を使う火力発電と比べると低い水準です。燃料に含まれる水分が多いと燃焼効率がさらに下がるため、乾燥や加工にかかるコストが課題になります。
熱分解ガス化方式の仕組みと使われる燃料
熱分解ガス化方式は、バイオマスを直接燃やさずガスに変えてから発電する方式です。3方式の中でも発電効率が高く、小規模な設備でも導入しやすい点が注目されていますが、バイオマス発電の将来性や課題と照らし合わせて運用方針を検討する必要があります。
発電までの仕組み
熱分解ガス化方式は、乾燥させたバイオマス燃料を酸素の少ない状態で高温に加熱し、可燃性のガスを取り出す方式です。燃料は乾燥、熱分解、部分酸化、還元という段階を経て、一酸化炭素や水素、メタンなどを主成分とする合成ガスに変わります。
生成された合成ガスは、ガスタービンやガスエンジンで燃焼させて発電に利用します。固体の燃料を直接燃やす直接燃焼方式に比べ、燃焼効率を高めやすい仕組みになっています。
主に使われる燃料
熱分解ガス化方式では、木くずや廃木材といった木質系の燃料が主に使われます。直接燃焼方式と同様に、燃料はあらかじめ乾燥させてから炉に投入します。
比較的水分の少ない乾燥系の燃料に向いており、湿った廃棄物をそのまま使うのには適していません。燃料の性質を見極めることが、安定した稼働につながります。
メリットと注意点
熱分解ガス化方式のメリットは、発電効率の高さです。発電効率はおよそ30〜40%とされ、直接燃焼方式より効率よく電気に変換できます。燃焼温度が高く、規模の小さい発電所でも導入しやすい点も特徴で、地域に特化したバイオマス発電の取り組み事例でもこの方式が採用されつつあります。
一方で、ガス化の過程でタールと呼ばれる粘性物質が発生しやすく、これが設備の運転効率を下げる要因になります。タール対策の設備や維持管理の手間が、導入時の検討ポイントになります。
生物化学的ガス化方式(メタン発酵)の仕組みと使われる燃料
生物化学的ガス化方式は、微生物の働きでバイオマスをガスに変える方式で、メタン発酵とも呼ばれます。水分の多い廃棄物を燃料にできる点が、ほかの2方式にはない特徴であり、他方式との比較においてバイオマス発電の仕組みやメリットを評価する上でも、このような特有のバイオマス発電の特徴を備えています。
発電までの仕組み
生物化学的ガス化方式は、酸素のない状態で嫌気性細菌を働かせ、有機物を分解する方式です。分解の過程でメタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスと、消化液と呼ばれる発酵残さが生まれます。
発生したバイオガスは、ガスエンジンやガスタービンを回して発電に使われます。燃やすのではなく発酵させる点が、直接燃焼方式や熱分解ガス化方式との大きな違いです。
主に使われる燃料
生物化学的ガス化方式では、家畜のふん尿や生ごみ、下水汚泥といった水分の多い資源が主な燃料になります。乾燥させにくい廃棄物でも、そのまま発酵槽に投入できます。
食品工場や畜産の現場で日常的に出るこれらの資源は、地域内で発生し地域内で使いやすいという性質も持っています。輸送の負担を抑えながら燃料を確保しやすい点が強みです。
メリットと注意点
生物化学的ガス化方式のメリットは、乾燥の手間をかけずに水分の多い廃棄物をそのまま活用できることです。発酵残さは肥料や堆肥として再利用でき、廃棄物の削減と資源循環を同時に進められるため、廃棄物処理の拠点でも積極的に活用されています。
一方で、微生物による反応は時間がかかり、発酵にかかる期間が長くなりやすい点が注意点です。発生した発酵残さの処理方法をあらかじめ決めておく必要もあります。
まとめ:バイオマス発電の種類を知り自社に合う方式を見極めよう
ここまで、バイオマス発電の種類を分ける基準と、直接燃焼方式・熱分解ガス化方式・生物化学的ガス化方式それぞれの仕組み、使われる燃料、メリットと注意点を解説してきました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- バイオマス発電の種類は燃料の含水率と発電規模で選び方が変わる
- 直接燃焼方式は普及率が高く、熱分解ガス化方式は発電効率が高い
- 生物化学的ガス化方式(メタン発酵)は水分の多い廃棄物を活用できる
本記事を通じて、自社や地域の資源にどの方式が合うのかを具体的に判断できるようになったはずです。
バイオマス発電の種類選びや導入について詳しく相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。他電源との再生可能エネルギーのコスト比較や再生可能エネルギーのデメリットも踏まえ、最適な導入計画をご提案いたします。資料請求からも、導入検討に役立つ情報を確認できます。
バイオマス発電の種類に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
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監修者
リサーチチーム
Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。
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