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バイオマスとは?仕組みや種類・メリットをわかりやすく解説

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この記事のポイント

バイオマスとは、化石資源を除く再生可能な生物由来の有機性資源で、燃やしても二酸化炭素を実質的に増やさないカーボンニュートラルの性質を持つ。廃棄物系・未利用・資源作物の3種類があり、発電方式は直接燃焼・熱分解ガス化・生物化学的ガス化に分かれる。

バイオマスとは?仕組みや種類・メリットをわかりやすく解説

「バイオマスとは何かがよく分からず、自社の脱炭素の取り組みに活かせるのか判断できない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • バイオマスとは何かと注目される背景
  • バイオマスの種類と発電の仕組み
  • メリット・デメリットと日本の現状

バイオマスとは、動植物から生まれた再生可能な有機性の資源を指し、燃やしても大気中の二酸化炭素を実質的に増やさない特性を持ちます。

本記事を読めば、脱炭素経営でバイオマスをどう位置づけるかまで具体的に判断できるようになります。基礎から順を追って見ていきましょう。

バイオマスとは何かをわかりやすく解説

バイオマスとは、動植物などから生まれた再生可能な有機性の資源のことです。木材や食品廃棄物、家畜の排せつ物など身近なものが含まれ、これらをエネルギーや製品の原料として活用する動きが広がっています。本資源は再生可能エネルギーの種類としても重要な役割を担っており、まずは言葉の意味と、注目を集める理由を整理します。

バイオマスの定義と3つの条件

バイオマスは「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの」と定義されます。語源は英語で、生物資源を意味するbioと量を意味するmassを組み合わせた言葉です。

具体的には、次の3つの条件を満たす資源がバイオマスに該当します。

  • 再生可能であること
  • 有機性の資源であること
  • 化石資源を除いたものであること

石油や石炭も元は生物由来ですが、再生に長い年月を要し短期間では再生できないため、バイオマスには含まれません。

バイオマスが注目される背景

バイオマスが注目される最大の理由は、カーボンニュートラルという性質にあります。植物は成長の過程で大気中の二酸化炭素を吸収するため、燃やして二酸化炭素を出しても、差し引きの排出量は実質ゼロとみなされる考え方です。

脱炭素経営が求められる中、化石燃料に代わる資源としての期待が高まっています。廃棄物を資源として使い直せる点も、資源循環の観点から評価されています。

バイオマスエネルギーとの関係

バイオマスそのものは資源の総称であり、それをエネルギーとして利用したものがバイオマスエネルギーです。発電や熱利用、輸送用のバイオ燃料など、用途は多岐にわたります。

バイオマスエネルギーは、太陽光や風力と並ぶ再生可能エネルギーのひとつに位置づけられています。資源を燃料や電気に変える技術が、脱炭素社会を支える基盤として重要になっています。

バイオマスの種類と分類

バイオマスは原料の由来によって、廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、資源作物の3つに大きく分けられます。どの種類を使うかで、調達方法やコスト、環境への貢献の仕方が変わってきます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

種類主な原料特徴
廃棄物系バイオマス家畜排せつ物、食品廃棄物、製材残材捨てられる廃棄物を資源として再利用
未利用バイオマス林地残材、稲わら、もみ殻これまで活用されず残っていた資源
資源作物サトウキビ、トウモロコシ、微細藻類エネルギー利用を目的に栽培する作物

廃棄物系バイオマス

廃棄物系バイオマスは、本来であれば捨てられる廃棄物を資源として活用する種類です。家畜の排せつ物や食品廃棄物、製材工場から出る木くずなどが代表例になります。

廃棄物の処理と資源活用を同時に進められる点が強みです。ごみの削減と発電を両立できるため、循環型社会づくりに直結する資源として位置づけられています。

未利用バイオマス

未利用バイオマスは、これまで使われずに残されてきた資源を指します。森林の間伐や伐採で発生する林地残材、稲わらやもみ殻といった農業由来の非食部分が該当します。

木質バイオマスの多くはこの未利用バイオマスに含まれます。放置されがちだった資源を燃料に変えることで、森林整備や農山村の活性化にもつながります。

資源作物

資源作物は、エネルギーとして使うことを目的に栽培する作物です。サトウキビやトウモロコシからつくるバイオエタノール、ミドリムシなどの微細藻類が知られています。

安定して原料を確保しやすい一方、食料と競合する懸念もあります。食料生産との両立をどう図るかが、資源作物の活用における重要な論点です。

バイオマス発電の仕組みと3つの方式

バイオマスをエネルギーとして活用する代表例が発電です。具体的なバイオマス発電の仕組みやメリットを整理すると、発電の方式は燃料の状態や変換の仕方によって直接燃焼方式、熱分解ガス化方式、生物化学的ガス化方式の3つに分けられ、それぞれ適した燃料と特徴が異なります。

方式主な燃料発電の流れ
直接燃焼方式木質チップ、木質ペレット燃やした熱で蒸気をつくりタービンを回す
熱分解ガス化方式木質バイオマス高温で分解した可燃性ガスで発電する
生物化学的ガス化方式家畜排せつ物、生ごみ微生物の発酵で生じるガスで発電する

直接燃焼方式

直接燃焼方式は、乾燥したバイオマス燃料をボイラーで直接燃やす方法です。発生した熱で水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回して電気を生み出します。

火力発電と同じ仕組みのため技術が確立しており、最も普及している方式です。木質チップや木質ペレットなど、水分の少ない燃料が適しています。

熱分解ガス化方式

熱分解ガス化方式は、バイオマスを高温で分解し、その際に発生する可燃性ガスで発電する方法です。一酸化炭素や水素、メタンなどのガスを利用してタービンやエンジンを動かします。

燃焼温度が高く、直接燃焼方式より小さな設備でも一定の発電効率を得やすい特徴があります。比較的規模の小さい発電にも向いた方式です。

生物化学的ガス化方式

生物化学的ガス化方式は、微生物の働きでバイオマスを分解し、生じたガスで発電する方法です。家畜排せつ物や生ごみを発酵させてメタンガスをつくるメタン発酵が代表的です。

水分の多い湿った燃料を扱える点が、他の方式にない強みになります。発酵後に残る消化液を肥料として使えるため、資源を無駄なく循環させられます。

バイオマスを活用するメリット

バイオマスの活用には、環境面と社会面の両方でメリットがあります。これらをエネルギー源として利用する際には、あらかじめバイオマス発電のメリット・デメリットを正確に把握しておくことが有効です。ここでは企業が押さえておきたい代表的な3つのメリットを紹介します。

二酸化炭素の排出を抑えられる

バイオマスは燃やしても大気中の二酸化炭素を実質的に増やしません。原料となる植物が成長する過程で二酸化炭素を吸収しているため、排出と吸収が相殺されるカーボンニュートラルとみなされるからです。

化石燃料を燃やす火力発電と違い、地球温暖化への影響を抑えられます。脱炭素経営を目指す企業にとって、有力な選択肢のひとつになります。

天候に左右されず安定して発電できる

太陽光や風力は天候によって発電量が大きく変わりますが、バイオマス発電は燃料さえあれば安定して発電できます。燃料をあらかじめ蓄えておけるため、発電量を計画的にコントロールしやすい点が特徴です。

夜間や悪天候でも稼働を続けられるため、電源としての信頼性が高くなります。再生可能エネルギーの中でも、ベースとなる電力を担いやすい発電方法です。

廃棄物を有効活用できる

バイオマスは、廃材や生ごみ、家畜の排せつ物など捨てられるはずの資源を燃料に変えられます。廃棄物の量を減らしながら発電できるため、処理コストの削減にもつながります。

既存のごみ処理場や火力発電所の設備を活用しやすい点も利点です。資源を循環させながらエネルギーを得られることが、バイオマスの大きな価値になります。

バイオマスを活用するデメリット

メリットの多いバイオマスにも、導入前に理解しておくべき課題があります。熱交換やエネルギー変換を伴うバイオマス発電の仕組みから生じる課題も含め、ここでは代表的な3つのデメリットを整理します。

発電コストが高くなりやすい

バイオマス発電は、他の再生可能エネルギーと比べて発電コストが高くなりがちです。発電にかかる費用の約7割を燃料費が占めるとされ、燃料の調達がコストを大きく左右します。

林地から出た残材の運び出しや、木質ペレット、木質チップへの加工には多くの手間がかかります。原料が小規模に散在する日本では、収集や運搬の費用がかさみやすい点も課題であり、他の再エネ電源と比較する上でも再生可能エネルギーのコスト比較を考慮に入れておく必要があります。

燃料の安定確保が難しい

バイオマス発電を続けるには、燃料を安定して確保し続ける必要があります。国内の資源だけでは足りず、木質ペレットなどを輸入に頼っている発電所が多いのが実情です。

輸入に依存すると、為替や国際市況の変動が調達コストに直接響きます。国産燃料の供給網を整えることが、安定確保に向けた課題となっています。

エネルギー変換効率が低い

バイオマス発電のエネルギー変換効率は20〜25%程度とされ、他の発電方法と比べて低い水準です。同じ量の資源からより多くの電気を取り出したい場合には不利になります。

発電方法エネルギー変換効率の目安
バイオマス発電20〜25%程度
風力発電30〜40%程度
水力発電80%程度

発生する熱を給湯や暖房に使う熱電併給によって、資源全体の利用効率を高める取り組みも進められています。

日本におけるバイオマスの現状と課題

日本のバイオマス発電は導入が進む一方で、制度や燃料をめぐる課題も抱えています。民間や公共によるバイオマス発電の取り組み事例も交え、現状と直近の動きを整理します。

国内の導入状況と目標

バイオマス発電は、2030年の導入目標である8.0ギガワットを2024年時点で既に上回る水準まで普及が進んでいます。第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギー全体で電源構成比36〜38%を目指す方針が示されています。

固定価格買取制度であるFIT制度の後押しもあり、発電所の数は着実に増えてきました。今後は量の拡大から、国産燃料を使った質の向上へと軸足が移りつつあります。

2026年度のFIT制度の見直し

2026年度以降、輸入燃料を主に使う一般木質バイオマス発電の一部が、FIT制度やFIP制度の新規認定の対象外になります。出力1万キロワット以上の大規模な設備が主な対象です。

見直しの背景には、コストの大半を燃料費が占め、将来的な自立が見通しづらい事情があります。国産の資源を使う発電への転換を促す狙いがあります。

燃料の輸入依存という課題

国内で稼働するバイオマス発電の多くは、輸入した木質バイオマスを主な燃料としています。この構造により、燃料費として毎年多額の資金が海外へ流出している点が問題視されています。

輸入先での森林伐採や、燃料の認証をめぐる持続可能性への懸念も指摘されています。国産燃料への切り替えと供給網の整備が、今後の大きな課題です。

企業がバイオマスを活用するポイント

バイオマスは、自社で発電設備を持つ以外にも企業が活用できる方法があります。自社で利用可能なバイオマス発電の種類や方式を把握しつつ、ここでは導入を検討する際の視点を紹介します。

脱炭素経営におけるバイオマスの位置づけ

事業で使う電力を再生可能エネルギーに切り替える動きは、RE100など国際的な脱炭素目標の達成に直結します。カーボンニュートラルとみなされるバイオマスは、こうした目標を満たす電源として位置づけられていますが、導入にあたってはバイオマス発電の将来性や課題も含めて長期的な供給計画を検討することが必要です。

近年はコーポレートPPAという契約を通じて、自社で設備を持たずに再エネ電力を長期調達する企業が増えています。環境への対応は、取引先や投資家からの評価にも関わるテーマになりつつあります。

導入前に確認すべき条件

自社でバイオマス設備を導入する場合は、まず燃料を安定して確保できるかの見極めが欠かせません。地域の未利用材や廃棄物を活用できれば、調達コストと輸送の負担を抑えられます。

発生する熱を工場や施設で使えるかどうかも、採算を左右する重要な条件です。発電と熱利用を組み合わせることで、資源の利用効率を高められます。

補助金制度の活用

バイオマスの導入では、国や自治体が用意する補助金制度を活用できる場合があります。木質バイオマスのボイラーや熱利用設備を対象にした制度があり、事業によって補助率や条件が異なります。

補助金には申請期限や要件が定められていることが多いため、早めの確認が重要です。導入を検討する段階で、自治体や専門機関に最新の制度内容を問い合わせておくと安心です。

まとめ:バイオマスとは資源循環と脱炭素を両立できる生物由来の再生可能資源

ここまで、バイオマスとは何かという基本から、種類や発電の仕組み、メリット・デメリット、日本の現状と課題、企業が活用するポイントまでを解説してきました。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • バイオマスとは化石資源を除く再生可能な有機性資源で、カーボンニュートラルの性質を持つ
  • 廃棄物系・未利用・資源作物の3種類があり、発電方式も3つに分かれる
  • コストや燃料確保に課題はあるが、企業は脱炭素経営の一環として活用できる

本記事を通じて、バイオマス発電の特徴や課題が整理でき、バイオマスとはどのような資源で、自社の脱炭素にどう活かせるかを具体的に判断できるようになったはずです。

バイオマスの導入や再エネ調達について詳しく相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。資料請求からも、検討に役立つ情報を確認できます。

バイオマスに関するよくある質問

参考文献

  1. バイオマス発電(環境技術解説 環境展望台・国立環境研究所)
  2. バイオマスとは?(農林水産省 九州農政局)
  3. 木質バイオマス利用推進の取組(林野庁)

執筆者

Green With 編集部
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編集部

Green With編集部は、GX・脱炭素・Scope3・カーボンニュートラルなどの実務情報をわかりやすく発信する編集チームです。政策・技術・企業事例を調査し、AIを活用した制作と編集部による事実確認を組み合わせ、実務に役立つ信頼性の高いコンテンツを提供しています。

監修者

Green With リサーチチーム
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Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。

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