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カーボンニュートラル政策とは?日本と世界の動向【2026年】

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この記事のポイント

カーボンニュートラル政策は、温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする国家戦略です。日本はグリーン成長戦略やGX推進法、2026年度に本格稼働する排出量取引制度で脱炭素投資を促し、EUは2050年、中国は2060年の達成を目指しています。

カーボンニュートラル政策とは?日本と世界の動向【2026年】

「カーボンニュートラルという言葉はよく聞くけれど、政府がどんな政策を進めているのか、自社にどう関わってくるのかまで整理できていない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • カーボンニュートラル政策の意味と政府の2050年宣言
  • 日本のグリーン成長戦略やGX推進法など主要政策の全体像
  • 排出量取引制度や各国の政策動向

カーボンニュートラル政策とは、温室効果ガスの排出を実質ゼロにするため、政府が2050年の達成を掲げて進める国家戦略です。

本記事を読めば、日本の政策の全体像から企業に関わる制度、世界各国の動向までを一度に把握できます。脱炭素経営を考える出発点として、ぜひ最後までご覧ください。

カーボンニュートラル政策とは

カーボンニュートラル政策とは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体としてゼロにする社会を実現するための国の取り組みです。日本では政府が2050年の達成を掲げ、法制度や予算を通じて官民一体で進めています。

カーボンニュートラルの基本的な意味

そもそもカーボンニュートラルとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにする状態を指します。排出を完全になくすのではなく、避けられない排出分を吸収や除去で相殺する考え方です。

対象となるのは二酸化炭素だけではありません。メタンや一酸化二窒素など、京都議定書で定められた温室効果ガス全体が対象になります。

政府による2050年カーボンニュートラル宣言

日本のカーボンニュートラル政策の起点は、2020年10月の所信表明演説にあります。当時の菅総理が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、脱炭素社会の実現を目指す」と国会で表明し、これにより日本のカーボンニュートラルがいつから本格始動したのか、その基準が明確になりました。

それまでの目標は「2050年に80パーセント削減」でしたが、明確な期限とともに実質ゼロへ踏み込んだ点が大きな転換でした。この宣言をきっかけに、日本の気候変動対策は加速していきます。

カーボンニュートラル政策が求められる背景

背景にあるのは、パリ協定に代表される世界的な脱炭素の潮流です。世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑える目標に向けて、各国が排出削減を競っています。

日本がカーボンニュートラルを国家戦略として掲げる理由は、環境面だけではありません。脱炭素技術を成長分野と位置づけ、エネルギー安全保障や産業競争力の強化につなげる狙いがあります。

日本のカーボンニュートラル政策の全体像

日本のカーボンニュートラル政策は、成長戦略と法制度、そして削減目標という3つの柱で構成されています。それぞれが連動しながら、2050年の脱炭素社会に向けた道筋を描いています。

グリーン成長戦略と14の重要分野

グリーン成長戦略は、2020年12月に策定された産業政策です。経済産業省が中心となり、企業が享受できる多様な脱炭素のメリットを引き出し、温暖化対策を経済成長の機会と捉える方針を明確にしました。

戦略では、成長が期待される14の重要分野を選び、分野ごとに実行計画を定めています。洋上風力や次世代太陽光、水素、蓄電池、自動車といった産業が対象です。政府は民間投資を引き出すため、予算や税制、規制改革などの政策を組み合わせて支援します。

GX推進法とGXリーグ

GXは、グリーントランスフォーメーションの略称です。化石燃料中心の経済を、クリーンエネルギー中心へと転換する取り組みを指します。

2023年に成立したGX推進法は、この転換を後押しする基盤となる法律です。政府は今後10年間で官民あわせて150兆円を超える投資を目標に掲げ、その呼び水として20兆円規模のGX経済移行債を発行します。企業が自主的に排出削減へ取り組む枠組みとして2023年にはGXリーグも本格稼働し、カーボンニュートラル企業一覧にみられるような主要な企業が数多く参画しています。

地球温暖化対策計画と温室効果ガス削減目標

地球温暖化対策計画は、日本の気候変動対策の全体像を示す政府計画です。カーボンニュートラルと脱炭素の違いなどの基本概念を定義しつつ、2016年に初めて策定され、おおむね3年ごとに見直しが行われています。

2025年2月には計画が改定され、新たな削減目標が示されました。基準年である2013年度と比べた削減率は次のとおりです。

対象年度削減目標(2013年度比)
2030年度46パーセント削減
2035年度60パーセント削減
2040年度73パーセント削減

2035年度と2040年度の目標は、国連に提出する日本のNDC(国が決定する貢献)として位置づけられています。2050年のカーボンニュートラルに向けた、直線的な削減経路を意識した内容です。

成長志向型カーボンプライシングの政策

成長志向型カーボンプライシングは、日本のカーボンニュートラル政策のなかでも中核となる仕組みです。排出に価格をつけることで、企業の脱炭素投資を促す狙いがあります。

成長志向型カーボンプライシングの考え方

カーボンプライシングとは、二酸化炭素の排出に価格を設定し、排出削減を経済的に後押しする政策手法です。実現にあたっては、費用対効果の検証や制度設計などのカーボンニュートラルの課題もありますが、排出量が多いほど負担が増えるため、企業が削減へ動く動機になります。

日本が採用する成長志向型は、当初の負担を低く抑えたうえで、段階的に引き上げていく点が特徴です。急激な負担増を避けつつ、企業に投資の予見性を与える設計といえます。主な仕組みは、排出量取引制度と化石燃料賦課金の2つです。

排出量取引制度の仕組み

排出量取引制度は、企業ごとに排出枠を設定し、過不足を市場で売買できる制度です。日本版はGX-ETSと呼ばれ、GXリーグの枠組みで2023年度から試行的に始まりました。

2026年度からは本格稼働の段階へ移ります。この移行を支えるのが、2026年4月に施行される改正GX推進法です。二酸化炭素の直接排出量が年10万トン以上の事業者が対象となり、300から400社程度が参加する見込みです。対象企業の排出量を合計すると、日本の温室効果ガス排出量の半分を超える規模になります。

化石燃料賦課金の導入

化石燃料賦課金は、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の輸入事業者などに課される負担金です。再エネ賦課金と同様に、電気代等の炭素コストに影響を与える仕組みであり、輸入する燃料に含まれる炭素の量に応じて金額が決まります。

導入は2028年度を目途としています。制度開始時の負担は低く設定し、その後徐々に引き上げていく方針です。さらに2033年度からは、発電事業者に排出枠を有償で割り当てる有償オークションも段階的に始まる予定です。これらの収入は、GX経済移行債の償還に充てられます。

世界各国のカーボンニュートラル政策

カーボンニュートラルは、日本だけの目標ではありません。世界の主要な国や地域が、それぞれの事情に応じた政策を打ち出しています。各国の動きを知ることで、日本の立ち位置も見えてきます。

主要な国と地域の目標年は、次のように整理できます。

国・地域達成目標年中心となる政策
EU2050年欧州グリーンディール
アメリカ2050年連邦・州レベルの取り組み
中国2060年30・60目標
日本2050年グリーン成長戦略・GX

EUのカーボンニュートラル政策

EUは、脱炭素政策で世界をリードする存在です。2050年の気候中立を法律に明記した欧州気候法を掲げ、その実現を欧州グリーンディールという包括的な政策で進めています。

中間目標として、2030年までに温室効果ガスを1990年比で少なくとも55パーセント削減する方針です。この目標達成に向けた法制度の一群がFit for 55と呼ばれ、排出量取引や自動車規制など幅広い分野をカバーしています。

アメリカのカーボンニュートラル政策

アメリカは、バイデン政権下で2050年までの経済全体のネットゼロを掲げました。一方で、2025年に発足した政権はパリ協定からの再離脱を表明するなど、連邦レベルの方針は政権交代の影響を受けやすい状況です。

こうしたなかでも、カリフォルニア州など一部の州は独自の削減目標を維持しています。連邦と州で温度差がある点が、アメリカの気候政策の特徴です。

中国のカーボンニュートラル政策

中国は、世界最大の二酸化炭素排出国です。二酸化炭素排出量を2030年より前に減少へ転じさせ、2060年より前にカーボンニュートラルを達成する目標を掲げています。この2つは30・60目標と呼ばれています。

達成年が他の主要国より遅い背景には、経済成長とエネルギー需要の拡大があります。ただし太陽光パネルや電気自動車、蓄電池などの分野では、世界の生産をけん引する存在にもなっています。

まとめ:カーボンニュートラル政策は2050年実現へ官民で進む国家戦略です

本記事では、カーボンニュートラル政策の意味や政府の2050年宣言、日本のグリーン成長戦略とGX推進法、成長志向型カーボンプライシング、そして世界各国の動向を解説してきました。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • カーボンニュートラル政策は温室効果ガスの排出を実質ゼロにする国家戦略
  • 日本はグリーン成長戦略やGX推進法で官民の投資を後押しする
  • 排出量取引制度は2026年度から本格稼働し企業への影響が広がる

政策の全体像をつかめたことで、自社の脱炭素経営や制度対応を検討する土台が整ったはずです。削減目標やカーボンプライシングの動向を押さえながら、事業への影響を見極めていくことが大切になります。

カーボンニュートラル政策への対応や脱炭素経営について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

カーボンニュートラル 政策に関するよくある質問

参考文献

  1. 地球温暖化対策計画(令和7年2月18日閣議決定)(環境省)
  2. 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて(環境省)
  3. 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業省)

執筆者

Green With 編集部
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編集部

Green With編集部は、GX・脱炭素・Scope3・カーボンニュートラルなどの実務情報をわかりやすく発信する編集チームです。政策・技術・企業事例を調査し、AIを活用した制作と編集部による事実確認を組み合わせ、実務に役立つ信頼性の高いコンテンツを提供しています。

監修者

Green With リサーチチーム
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リサーチチーム

Green With リサーチチームは、GX・脱炭素・Scope3・ESG・環境政策に関する国内外の一次情報を継続的に調査・分析する専門チームです。政府・業界団体・研究機関・企業の公開情報をもとに、記事の事実確認や専門性の担保、情報の正確性を監修しています。

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